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模天正会津椀 竹水蒔絵菜盛埦 10客組(共箱/蓋裏に「明治二十八年霜月製之」の墨書あり)

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本作は、天正年間(16世紀後半)に製された会津塗の椀を模したものと見られ、明治28年(1895)霜月の作とされる10客組の菜盛椀です。全体に深い緑を帯びた黒漆が施され、外側には竹の葉と若芽、渦状の水文様が金蒔絵でめぐらされています。

竹は、成長の節目が明確で、真っ直ぐに伸び、寒中にも青さを保つことから、長寿・繁栄・清廉の象徴とされてきました。特に本椀に描かれる「竹水模様」は、若竹が水を吸い上げ、内に力を蓄えて伸びゆく姿を意匠化したもので、生命力の瑞々しさを表します。

また、竹の合間に配された渦巻状の文様は、水面に広がる波紋(水文)を表し、浄化・魔除け・火除けの意味合いを持つ吉祥意匠です。水と竹、いずれも清らかさを象徴しつつ、相互に補完し合うような構成が見られ、安寧と繁栄への願いを静かに込めた絵付けとなっています。

器形は、口縁がやや広がった菜盛椀型で、盛り付けの際に料理を引き立てる余白が確保されており、儀礼的な膳組や祝い膳においても格を感じさせる仕様です。箱蓋裏には「明治二十八年霜月製之」と墨書があり、明治中期にあって、江戸以前の意匠を顧みた復古的な制作姿勢もうかがわれます。

  • 商品名:模天正会津椀 竹水蒔絵菜盛埦 10客組
  • サイズ:直径13.2㎝ 高さ10㎝ 高さ(身)7㎝
  • 価格:350,000円
2025-06-12 | Posted in itemsComments Closed